「就職率100%」「売り手市場」の大学とは

2012.01.07

採用活動の早期化は、そもそも企業が「大学教育の価値をあまり評価していない」ため、採用選考でも大学での成績を考慮していないことが背景にある。しかし、企業の人材ニーズに応える教育を行い、「即戦力」となるような人材の養成に成功している大学もある。そんな大学には企業の方から「ぜひ採用したい」と殺到している。そうした事例を紹介しよう。大手企業の採用担当者が引きも切らず訪れる大学が秋田にある。二〇〇四年に開学した国際教養大学(AIU)で、「就職率100%の大学」として二〇一〇年春一躍全国的に知られる存在になった。

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特に就職シーズンの一〇月から三月にかけて連日、日本を代表するような企業の担当者が秋田のキャンパスを訪れ、企業説明会を開くほどAIUの学生の採用に熱心なのだ。企業の人事担当者を惹きつけてやまない理由は何なのか。同大学は「世界を舞台に活躍できる人材養成」を教学理念に掲げ、それを達成するため「すべての授業を英語で行う」、「外国人留学生と共に暮らす一年間の寮生活」、「一年間の海外留学」を義務づけ、留学できなければ卒業できず、卒業自体もGPA(欧米の大学で導入されている成績評価値)による厳しい成績管理で可否を判断している。そうした独創的な教育により、「AIUの学生は英語が堪能なだけでなく、異文化体験を通じて世界で活躍できるタフさと的確に受発信できるコミュニケーション能力を身につけている」、「どのような環境に遭遇しても自分の頭で考え、適切に表現できる能力が鍛えられている」といった評価が定まりつつあり、企業の急速なグローバル化とも相まって「就職率100%」を実現しているのだ。卒業生を社会に送り出してまだ三年と日が浅いのだが、大企業の間では「とにかくAIUの学生は有力大学を凌ぐ、即戦力人材として使える」との評判である。この三年間の就職実績は〇七年度100%、〇八年度99%、〇九年度100%といった具合で、今年二〇一〇年度、つまり二〇一一年春採用の就職状況も「年内に100%は実現できる」と学長は胸を張る。




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